BLOG《セールスディレクターのブログ》

フォントが埋め込まれていないPDF

diary

「いつまでに入稿すれば納期に間に合いますか?」という質問をされると、「完全データなら…」と結構ぎりぎりの日程を決めてしまうことがある。もちろん最初は少し余裕を持っておこうと決めるのだが、原稿作成が遅れると本当に全く余裕のない日程になることもある。そんな時に、入稿データをPDFで渡す、と言われると、「PDF/X-1a”でください。」と確認のお願いする。“PDF/X-1a”というのは印刷用途に最適化されたPDF規格で、出力トラブルが少なく納期遅れのリスクも回避できる。
ただ、この“PDF/X-1a”という形式を理解されていない、あるいはどうやって作ればいいか分からない人も多く、実際に入稿されてみると単にPDFファイルと言うだけで出力処理が出来ないなんてこともある。
先日もこのケースがあり、フォントが埋め込まれていないPDFなので出力処理が出来ないトラブルがあった。

そこで急遽お客様で、
[1]PDFを作成する前の、原稿作成した元のソフト(例えばWord)から作成し直す。
[2]llustratorで開いてPDFを保存し直す。
などをして再入稿してもらったのだが、やはり一部のPDFは文字化けしていたり、文字間が詰まって文字が重なったりしてしまっていて使えないファイルがあった。

納期までの時間がなく再々入稿をお願いしても果たしてうまく出来る保証もないので、フォントを埋め込んでいないPDFファイルをフォントを埋め込み直す方法はないか、DTPエキスパートクラブの仲間のMさんに相談したところ下記の方法も教えて頂いた。

詳しい方法は記載しないが、ざっくり言えば
[3]Photoshopで開いて画像化してEPS保存。
[4]Acrobat Proで開いてEPS保存。
など。
しかし、この方法を試してみたが残念ながらうまくいくファイルとうまく行かないファイルがあった。

で、弊社のオペレータN君(彼もDTPエキスパート)が下記の方法をトライ。
[5]Acrobat 9(CS4)でPDFからPSを書き出し,それをDistillerでPDF化。
「印刷設定」「Adobe PDF設定」「印刷」の「詳細設定」などで色々と設定することがミソのようだが、これは本人曰く“我流なので正しいやり方かどうか分からない”とのこと。しかしながら、これでフォント埋め込みのPDFがうまく出来た。

タイムリミットぎりぎりでやっと出力OKのファイルが揃った。。。
ホッとしたと同時に、どっと疲れが出たがお陰でなんとか納期も間に合った。
色々と助けてもらったMさん、N君に感謝である。

もう少し早めに入稿データが出力出来るファイルかどうか確かめておけば良かったのに、いつもきちんとしたデータを頂いている、と思い込んでいて詰めなかったこと、そして頂いたデータがたくさんのファイルに分かれていて、データのチェックに時間が掛かったことが反省材料。やはり入稿されるファイルは出来るだけ少なくまとめておいてもらうと、出力チェックも早くでき、再入稿のお願いも早くできるということ、これからはお客様にそこもお願いしておこうと思う。

また今回はうまく行ったが、支給されたPDF自体に何らかの問題があると、最後の方法もうまく行かないことがありそうだ。それと作成し直すマシンに同じフォントを持っていなければどうしようもない。OSやソフトのバージョンなど環境が整っているとも限らない。今回はラッキーだったとも言えるのだ。

みなさん、こんなトラブルにならないように、PDF入稿の場合はどんなPDFでもいいのではないので、早めに印刷会社にサンプルデータをチェックしてもらいましょうね。