工務を担当していますTです。
営業や印刷現場の方から、「特色のインキを発注したいのだけれど、何キロぐらい買えばいいかな」と時々相談を受けます。
プロセスのインキとは違い、特ねりや単価の高いインキ(金・銀・蛍光など)は常に在庫しているわけではありませんし、特ねりを業者に発注すると出来上がるまで3〜4日はかかりますので事前に適量を発注しておく必要があります。
発注した量で足りないとなれば、納期に間に合わなくなり大問題になりますので、現場の立場ではゆとりを持った量をほしいところですが、近年の物価高騰により印刷には欠かせないインキの価格も上がってきており、少しでも無駄な材料費は削減したいところです。不足することなく余りすぎることもない、ちょうどいい量を発注するのは案外難しいものなのです。
そんなわけで、今回は私がインキ発注の目安にしている計算方法をみなさんにお伝えしようと思います。以前、長く印刷現場にいたのですが、その時に学んだ資料に載っていた方法を自分なりにアレンジしたものです。
まずは版サイズの面積を計算します。これは容易に算出できると思います。
次に、版のうち画線部(インキの載るところ)の割合を算出します。全面ベタなら100%でわかりやすいのですが、実際の仕事では版によって色々です。画像が多い場合は50%とか文字ばかりならば20%など、画線部の割合を推計してください。
あとはこれに通し枚数を掛ければ、画線部の総面積が計算できます。
版サイズ×画線部の割合×通し枚数=画線部の総面積
この数字をインキ1kgあたりで刷れる面積で割ると必要なインキの量が算出できます。
しかしインキ1kgあたりで刷れる面積は条件(インキの色・用紙)によってかなり幅があります。これについては資料を元に自分なりにまとめたものを表1に載せておきますので、この内の条件に近いものを使用してください。
たとえば以下のような例ですと
例
用紙サイズ:A1、画線部の割合:約30%、通し枚数:10,000枚、
用紙:マットコート、刷り色:紺藍インキ
約5,000cm2×0.3×10,000=1,5000,000cm2 (1,500万cm2)
1,500万cm2 ÷280万cm2=約5.3
実際の印刷においては以下のようなロスが発生しますので、この点についてもご留意ください。
・各ローラーに行き渡るまでの分
・本刷までのヤレ通しに使われる分
・ブランケットを洗うことにより失われる分
これらをロス分として約5%〜10%程、見越しておく必要があります。
当然のことながら通し枚数が少ないとロスの割合は高くなり、通し枚数が多くなるに従いロスの割合は低くなります。100枚しか刷らない場合はロスの割合は馬鹿になりませんが、10万枚刷る場合ではロスの影響はかなり低くなるでしょう。
以上がインキ必要量の算出方法となります。あくまで私なりの計算方法ですし、実際には、機械・用紙・インキの載せ具合など諸条件により結果に違いがでますので、計算通りにはいきません。それでも一つの目安にはなるかとは思いますので、よろしければ参考にお使いください。
最後に、煩雑な計算抜きにインキ1kgで何枚刷れるかをイメージしたい人のために、簡略な一覧を表2にまとめておきます。