お客様からいつもとは違う視覚効果のデザイン提案ができないか相談を受けることがある。印刷後に箔押しやエンボス、トムソン加工など特殊加工をすればかなりインパクトのあるデザインも提案できるが、問題はコストだ。できるだけコストを抑えてするとなると特殊加工は提案しにくい。
ではオフセット印刷だけで何ができるか?
そんな疑問に対していくつもの可能なデザインサンプルを提供してくれる本がある。グラフィック社から出版されている「デザインのひきだし」。中でも「デザインのひきだし11」「デザインのひきだし21」「デザインのひきだし34」は参考になる。
「デザインのひきだし11」は低コストで特殊な印刷威力を発揮できる、オフセット印刷用インキを特集。インキと紙の使い方で新たな視覚効果が得られることを紹介している。
「デザインのひきだし21」は「オフセット印刷」のしくみを解説し、色々な印刷実験を掲載していて新鮮なデザイン提案のヒントになる。
「デザインのひきだし34」はオフセット印刷できる特殊印刷例を掲載。さらに別冊付録、「蛍光インキ見本帳」がついていて蛍光インキ同士の掛け合わせチャートが付いているのも面白い。
弊社では菊全5色印刷機を保有しているので、通常カラー印刷を行うCMYKの4色に特色1色をプラスしたデザインが一番簡単にコストを抑えたデザイン提案ができますよ、とオススメするとお客様やデザイナー、ディレクターさんによく採用いただいている。
ただいつもと違う印刷や加工を企画するときに大切なのは単にできるからといって相談なしに制作を進めないことだ。紙質やデザインなどによってはトラブルが起こりやすいリスクを抱えていることがある。印刷会社の営業も最近はデータ入稿したら製版に回せば何でも同じように仕上がってくると思っている、相談するには頼りないのが増えたように思う。
普通の印刷でさえ用紙やインキ、デザインによってはさまざまなリスクがあるので日頃からリスクについてもきちんと話ができる信頼のおける営業マンと相談しながら企画制作を進めるようにしてくださいね。