BLOG《セールスディレクターのブログ》

校正の回数と集中力

diary

組版編集での文字校正は初校、再校の2回で責了。再校で訂正が多い場合は三校まで。
製版後の校正は色校正(青焼き)は1回、訂正がある場合は再校までの2回。
校正の回数としてはこれが基本であると、私がこの印刷の世界に入ってからずっと思っている。この回数より多いのは、特別に難しい(ウルサイ)仕事か、原稿がズサン、校正漏れが多い、訂正が直っていない(編集組版や製版のオペレータが下手)など人の問題だ。

さて最近、この校正の回数が以前に比べ多くなってきた。
これはパソコンでDTPが出来るようになり、誰もが簡単に編集したり訂正できるため、ついつい何度も校正する羽目になっているのだ。以前はちょっと訂正するだけでもすぐにできない、費用が発生するからということが明確だったので、訂正がないように原稿も校正もきっちりして頂いていたものだ。
また、誰でも出来ると言うことは、印刷業界の常識を知らない、つまり校正の標準回数など流れを全く知らない人が発注側にも制作側にも増えたのも大きな理由だと思う。

先日あるデザイナーの方が「急ぎで制作したのに何度も何度もちょっとづつ訂正が入ったりすると、制作の集中力が続かない、モチベーションをどこに持っていって作ればいいかわからない!」と嘆いておられた。全く同感である。
校正する方も何度も校正すると集中力が落ちる。何度も校正したのにミスにつながるというのは、「何回もするから集中力が落ちて」当然なのだ。
そう考えると、初めに書いた「初校、再校の2回で責了」は理想的な回数だ。

JRの尼崎の事故、スキーバスの居眠り事故。どちらも余裕のない計画の中、なんとかしようと頑張った末に起こってしまっている。
「何でもすぐできる、頑張れば何とかなる」それは人間の集中力が持続する短時間に終わらせる計画と、それを守ること。

校正回数が多いのはいずれ大きな事故(ミス)につながります。ご注意を!