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特色インキの印刷

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印刷インキは単色(1色)印刷の場合は“墨(黒)”、カラー(4色)印刷の場合は“シアン・マゼンタ・イエロー・墨(CMYK)”が基本になる。この4色のプロセスインキ以外を指定して印刷する場合は“特色インキ”を使用することになる。
この特色を指定する場合によく使用するのが「DIC COLOR GUIDE」だ。


<写真1>

このカラー見本帳にはそれぞれの色に番号がつけられており、例えば「DIC276番」=<写真3>参照=で印刷すると指定するとピンクの1色刷になる。このように番号は何百もあるのだが、実際はインキを何百と揃えているわけではない。これらの色は基準になるたった14種のインキからいくつかを混ぜ合わせ作られる。


<写真2>

この見本帳には色指定するためのチップ帳とは別にそれぞれの番号の色を作るための配合表=<写真1>参照=が付いている。これで指定された色はどのインキをどれくらい混ぜて作るかを調べるのだ。


<写真3>

「DIC276」は4種の基準インキを練り合わして作ることが分かる。
だが中には、「DIC179」のように1種のみで全く混ぜずに済む色もある。
そしてこの特色をCMYKに置き換えた時の解析データ表も付いている。


<写真4>

ただ、この「DIC179」=FG58原色藍100.0=<写真2>参照=と書かれているように「C100%」にしても同じ色であることはほとんどない。CMYKに置き換えた場合のあくまで一番近い色の数値というだけで、全く彩度など違う別の色の場合もあるので気をつけなければならない。

特色印刷はインキを練り合わすだけでなく、印刷機のインキの入れ替えに伴う洗浄作業など、手間がかかる割に売り上げが上がらない。また色のクレームに繋がるケースもあり、「割が合わない仕事!」と、どこの印刷会社も感じているのではないだろうか。