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本物の写しとしての印刷

diary

JAGATのホームページの“印刷・メディア研究”(http://www.jagat.jp/content/view/1559/369/)に 「本物の写しとしての印刷」という文章が掲載されている。
その中に、「印刷の初めは、中国の「拓本」とされている。…(中略)…「拓本」は石碑や青銅器に紙や布を被せ、墨を含ませた道具で上から打ち、そこに書かれている文字・「金石文」の凹凸を写し取ったものだ。…(中略)…
かつて、秦の始皇帝以来、歴代皇帝が遊んだ温泉があり、唐の太宗はここに湯泉宮を設け、さらに648年に自筆の「温泉銘」の石碑を残した。この碑は早く逸したらしく、宋時代の文献にその存在が記されていたのみだった。ところが、1908年フランスのペリオにより発見された敦煌文書の中から、この「温泉銘」の拓本が見つかったことで、この碑の実在が確認された。見つかった拓本は、剪装(せんそう)巻子本という、紙をコンパクトな大きさに切って作られた巻物の形をとっていた。そして、その巻末には653年と記されていたという。このように「温泉銘」碑をはじめとする多くの金石文は、皇帝や神官のような威厳や権威をもった人間によって刻まれることが多かった。また、敦煌で発見されたこの拓本は、碑が作られてからわずか5年後には、剪装巻子本という流通しやすい形に加工され、西の果て・敦煌にまで伝えられるほど珍重されていた。 」とある。

今でこそ、カメラ、スキャナ、コピーと小学生でも手軽に複製できるツールがあり世の中には恐ろしい数の複製物が存在している。便利と言えば便利だが、その価値はどんどん低くなってしまった。

私が中学2年の時、山陰にSLの写真を撮りに行った。機関庫のSLに上りナンバープレートの拓本もとった。今ならとてもそんなことは出来ないだろうが、昔はのんびりしていたのか誰にも注意されなかった。また誰から「拓本」などということを教わったのかも全く記憶がない。その拓本を久しぶりに広げてみた。


SLの写真ではどれくらいの大きさか全く分からないが、「拓本」なら簡単に計ることができる。大体天地20cm×左右は70〜80cmくらいの大きさだった。


中学生がとったもので、とてもきれいにとれているとは言えないが、こうして「本物の写しとしての印刷」としてみると今となってはとても貴重だ。